85・4%。家庭内暴力(DV)を受けた女性のための民間シェルターのうち、財政基盤が弱いと考えている施設の割合だ。自治体では行き届かない支援を民間の力で支えているが、職員の高齢化も進み、綱渡りの運営を迫られている。
「夫からDVを受けて、家を出たいが、県の保護施設には飼い犬を連れて入れない。この子が私の代わりに虐待を受けたらと思うと、家を出られない」
「保護先でカーテンを開けるな、と言われ、精神的につらい」
愛知県の民間団体「かけこみ女性センターあいち」には、公的な保護を受けにくい女性たちから相談が寄せられる。集合住宅の一室をシェルターとして提供し、保護する。昨年1年間で、5世帯を受け入れた。
暴力にさらされ続けた女性は精神的にも疲弊しきっており、柔軟な対応ができる民間のシェルターが果たす役割は大きい。
県女性相談センターによると、DVの相談件数は2021年度に1093件。緊急性が高く一時保護に至ったケースは81件あった。同センターの保護施設は定員20人の集団生活で、喫煙やペットの同伴は不可。加害者から居場所を特定されないよう、携帯電話が使えないといった制約もある。
「心のよりどころ」奪うことも
「公的保護の利用者の安全の…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル